Xで大炎上!『育休もらい逃げ』は許される? 社労士が教える「法的リアル」と「防衛策」 👶🔥
- Unite-ventures.com
- 2025年12月16日
- 読了時間: 3分
こんにちは!
最近、X(旧Twitter)などのSNSで、度々トレンド入りするショッキングなワードがあります。
それが、『育休もらい逃げ』。
「育休手当をフルにもらっておいて、復職初日に退職届を出すなんて非常識だ!」
「いやいや、子育てしながら働ける環境じゃない会社が悪いでしょ!」
ネット上では様々な意見が飛び交い、まさにカオス状態。
経営者や人事担当者からすれば、「給付金の手続きも社会保険料の免除も全部やってあげたのに、裏切られた…」と脱力したくなる瞬間かもしれません。
今日はこの「もらい逃げ」問題について、感情論は一旦横に置いて(ここ大事)、「法律的にはどうなのか?」そして「企業はどう防げばいいのか?」を社労士視点でズバリ解説します。
1,復職せずに辞めるのは「違法」ですか?
結論から言います。
「違法ではありません」。
民法には「職業選択の自由」があり、労働者には(期間の定めのない契約の場合)いつでも退職を申し出る権利があります(民法627条)。
たとえ「育休明け初日」であっても、法律上は「退職」を止めることはできません。
2,「育児休業給付金」を返金させることはできますか?
「できません」。
ここが誤解されやすいポイントですが、育休中にもらえるお金(育児休業給付金)は、会社が払っているのではなく、「雇用保険(国)」から支払われています。
その原資は、その社員自身がこれまで給与から天引きされて支払ってきた「保険料」です。
つまり、保険料を払っていた人が、要件を満たして保険給付を受けるのは正当な権利。「辞めるなら返せ」というのは、会社が言う筋合いのものではないのです。
3,じゃあ、会社は泣き寝入りするしかないの?
法的に「辞めさせない」「金返せ」とは言えませんが、何も対策がないわけではありません。
実は「もらい逃げ」をしてしまう社員の多くは、最初から騙すつもりだったわけではないケースが多いのです。
「保育園に落ちてしまい、どうしても復職できなくなった」
「育休中に、今の会社の働き方では育児との両立は無理だと悟った」
「夫の転勤が決まった」
このように、「戻りたかったけれど、戻れなくなった」という事情が隠れていることがほとんどです。
4,「もらい逃げ」を防ぐための、3つの特効薬
会社としてできる最大の対策は、「誓約書を書かせる」ことではなく、「戻ってきたいと思わせる関係性(エンゲージメント)」を作ることです。
①育休中も「定期的なコミュニケーション」を
「休みに入ったら音信不通」にしていませんか? 月に一度や数ヶ月に一度、会社の状況を伝えたり、本人の近況(保育園探しなど)を聞いたりする機会を持ちましょう。「忘れられていない」という安心感が、帰属意識を繋ぎ止めます。
②復職後の「シミュレーション」を具体的に
「時短勤務で本当に業務が回るのか?」「急な発熱の時はどうする?」
復職面談で具体的な不安を解消しておくことが重要です。ここが曖昧だと、「やっぱり無理だ」と心が折れてしまいます。
⓷「制度」ではなく「風土」を作る
どれだけ制度が整っていても、「育休明けの社員は迷惑」という空気が職場にあれば、誰だって戻りたくありません。男性育休の推進なども含め、「お互い様」の風土を作ることが、結果的に離職防止に繋がります。
まとめ:制度を恨まず、環境を整えよう
「育休もらい逃げ」という言葉は刺激的ですが、その背景には「個人の事情」と「会社の環境」のミスマッチがあります。
起きてしまったことを責めるよりも、「ライフステージが変わっても、この会社で働き続けたい」と思ってもらえるような組織づくりこそが、最強の防衛策であり、この問題の本質だと思います。


コメント