退職代行「モームリ」社長逮捕 -なぜ「辞める手伝い」が犯罪になったのか?-
- Unite-ventures.com
- 8 時間前
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驚きのニュースが入ってきましたね。
退職代行サービスの中でも、その名前のインパクトと低価格で知られていた「モームリ」の運営会社社長らが逮捕されたという報道です。
「会社を辞めたい人を助けていただけなのに、なぜ?」と疑問に思う方も多いはず。
今回の事件の核心を、社労士の視点からわかりやすく、かつ専門的な背景を交えて解説します。
退職代行業界でもかなりの知名度を誇っていた「モームリ」。
今回の逮捕劇は、業界全体に激震を走らせています。容疑のポイントは、ズバリ「非弁行為(ひべんこうい)」です。
1. 逮捕の理由は「弁護士じゃないのに交渉したから」
日本の法律(弁護士法)には、「お金をもらって、弁護士以外の人が法律的な交渉をしてはいけない」という厳しいルールがあります。これが「非弁行為の禁止」です。
やっていいこと
「本人の代わりに、退職の意思を伝える(伝言板)」
やってはいけないこと
「有給休暇を全部消化させろと交渉する」「退職金の額を話し合う」「会社側の反論に対して法律的に言い返す」
今回の逮捕容疑は、この「伝言」の域を超えて、本来は弁護士にしか許されていない「報酬を得ての法律事務(交渉)」を組織的に行っていた疑いです。
2. なぜ今、逮捕に至ったのか?
退職代行サービスは、いわゆる「グレーゾーン」で成長してきたビジネスです。
多くの業者は「弁護士監修」や「労働組合と提携」という形をとって、この法律を回避しようとします。
しかし、今回のケースでは以下の点が重く見られた可能性があります。
交渉の踏み込みすぎ
単なる伝達にとどまらず、会社側と激しく交渉を行っていた実態があった。
運営体制の不備
「提携している」と言いつつ、実態としては無資格の会社が主導して法律業務を回していた(=実質的な非弁活動)と判断された可能性が高いです。
3. 利用していた人はどうなるの?
現在、このサービスを利用して退職手続きを進めている、あるいは過去に利用したという方は不安ですよね。
退職そのものが無効になることは稀
すでに会社側が退職を認めて受理していれば、代行者が逮捕されたからといって「明日から出社しろ!」となることは基本的にはありません。
ただし、進行中のトラブルは要注意
「残業代請求」などの交渉を依頼していた場合、その交渉自体が無効になったり、ストップしたりするリスクがあります。
4. 「退職代行」を選ぶ時の教訓
今回の事件は、「安くて便利ならどこでもいい」という選び方に警鐘を鳴らしました。もし今後、退職代行を検討することがあれば、以下の基準を徹底してください。
「弁護士法人が直接運営」しているところを選ぶ
弁護士が運営していれば、交渉は100%合法です。
「伝言のみ」なのか「交渉あり」なのかを確認
安いサービスは「伝えるだけ」です。
揉めそうな場合は最初から弁護士に頼むのが一番の近道です。
まとめ:労働者の味方が「容疑者」にならないために
退職代行というサービス自体は、心身を削りながら働く人々にとっての「救済措置」という側面もありました。しかし、どれだけ正義感があっても、法律の枠を超えてしまえばそれは「違法」になってしまいます。
私たち社労士も、退職に関わるアドバイスを行いますが、紛争(揉め事)の解決は弁護士の領分です。こうした「専門領域のライン」を正しく守ることこそが、結果的に働く人を守ることにつながります。


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