最低賃金ってなぜ存在するの?なぜ上昇し続けているの?
- Unite-ventures.com
- 8月19日
- 読了時間: 3分
「最低賃金」という言葉、ニュースでよく耳にしますよね。
皆さんは普段、アルバイトや仕事で「最低賃金」という言葉を耳にしますよね。でも、そもそもなぜ「最低賃金」は存在するのでしょうか?そして、昨今なぜ毎年のようにこの金額が上がっているのでしょうか?
今日は、そんな身近な疑問を一緒に考えてみたいと思います。
■ そもそも「最低賃金」って何?
最低賃金とは、働く人たちの生活を安定させたり、労働力の公正な競争を確保したりするために、国が「これだけは必ず払ってくださいね」と定めた、賃金の最低ラインです。
これは、国が「すべての働く人が、健康で文化的な最低限度の生活を送れるように」という考えのもとで決められています。もし最低賃金がなければ、企業はもっと安い賃金で人を雇おうとするかもしれません。そうなると、働く人たちは十分な収入を得られず、生活が苦しくなってしまいます。
最低賃金は、そんな不公平な状況を防ぎ、働く人一人ひとりを守るために作られた、大切なルールなのです。
■ なぜ最近、どんどん上がっているの?
では、なぜこの最低賃金が昨今上昇し続けているのでしょうか?
主な理由は次の3つです。
物価の上昇
スーパーで売っている食品や日用品、電気代やガソリン代など、私たちの生活にかかるお金(物価)が年々上がっています。物価が上がると、同じお給料でも買えるものが減ってしまいます。そこで、物価の上昇に合わせて最低賃金を上げることで、働く人たちの購買力(=ものを買う力)を保とうとしているのです。
人手不足
日本では、働く人の数が減り続けています。多くの業界で人手不足が深刻化しており、企業は良い人材を確保するために、少しでも良い条件を提示しようとします。最低賃金の上昇は、この人手不足に対応し、労働市場の競争力を高めるための重要な手段の一つです。
格差是正への取り組み
社会全体で、お金持ちとそうでない人との格差が広がっていると言われています。最低賃金を上げることは、特に収入が低い人たちの所得を増やすことにつながり、経済的な格差を少しでも縮めようという狙いがあります。
■ 最低賃金額の計算方法
ところで、皆さんは自分の時給や月給が、最低賃金をクリアしているか、すぐにわかりますか?
実は、時給制、日給制、月給制など、働き方によって計算方法が少し違うんです。
一番シンプルなのは、時給制で働く場合です。
時給 ≧ 最低賃金額(その都道府県の)
これでOKです。例えば、あなたの時給が1,120円で、都道府県の最低賃金が1,113円なら、問題ありません。
では、日給制や月給制の場合はどうでしょう? この場合は、一度、時給に換算して計算します。
日給の場合
日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金額
月給の場合
月給 ÷ 1か月の所定労働時間 ≧ 最低賃金額
例を挙げてみましょう。 例えば、月給20万円で、1日の所定労働時間が8時間、1か月の所定労働日数が20日の場合。 1か月の所定労働時間は、8時間 × 20日 = 160時間となります。 この場合、時給換算すると、20万円 ÷ 160時間 = 1,250円となります。
この金額が、お住まいの地域の最低賃金額以上であれば、法的に問題ないということになります。
最低賃金は、働くすべての人の生活を守るための大切な基準です。
ぜひ、ご自身の働き方と照らし合わせてみてくださいね。
■ まとめ
最低賃金は、働く人たちの暮らしを守り、経済を安定させるための大切な仕組みです。
近年、物価の上昇や人手不足、格差是正といった社会の変化に対応するために、その金額は毎年見直され、引き上げられています。
今日のコラムで、最低賃金の背景にある考え方や、社会の変化とのつながりについて、少しでも理解が深まれば嬉しいです。
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